Case Study 007
「鬼滅の刃がIMAX 1.43:1で上映される」というニュースから始まった、 マーケティング画像の比率設計に関する思考プロセス。 フィルム構造の理解からWeb画像への応用、心理フェーズ別の最適比率まで。
4:5
止める
16:9
理解させる
9:16
没入させる
4:5
行動へ
01 — THE QUESTION
最初はマーケティングの話をするつもりはなかった。 ただ、ひとつの「非合理」に見える選択が気になった。
「鬼滅の刃が2026年にIMAX 1.43:1で上映されるらしい」
そのニュースを見たとき、私が抱いたのは専門的な分析欲ではなく、ごく素朴な疑問だった。
なぜ、そんな"扱いづらそうな比率"を選ぶのか?
IMAX 1.43:1は特殊だ。対応劇場も少ない。制作も大変。コストも高い。 普通に考えれば、もっと汎用的なフォーマットを選んだほうが合理的なはず。
それでも、その比率を選ぶ。この「非合理」に見える選択が、どうしても引っかかった。
4:3
1.33:1
昔のテレビ
1.43:1
IMAX
縦に強い
16:9
1.78:1
現代の標準
2.39:1
CINEMASCOPE
横に広い
Insight
横に広がることが進化だと思っていたのに、なぜ今、縦が強調される? この問いが、最初の分岐点だった。
02 — DISCOVERY
フィルムの両端にある小さな穴。 それが単なる搬送用ではなく、画面比率を決める「絶対的な制約」だと知った。
フィルムって縦に流れてるんだよな?じゃあ横走りってどういうこと? 完全に素人レベルの疑問に戻って調べ始めた。
通常の35mmフィルムは縦走り。1コマあたり4パーフォレーション分。 IMAXは横走り。1コマあたり15パーフォレーション分。
IMAXは「芸術的判断」で縦にしたのではない。 「面積を最大化したら縦寄りになった」だけだった。
35mm Standard
IMAX 70mm
Insight
画面比率は「デザイン」ではなく「機械構造」で決まっていた。 そして、その制約を超えた先に「体験」がある。
03 — CONNECTION
ここで私は、完全に別のことを考え始める。 「これ、今のWebも同じ構造じゃないか?」
Webの画像比率。ほとんどが16:9。理由を聞くと、
「作りやすい」「CMSに合う」「サムネに使いやすい」「なんとなく"ちゃんとして見える"」
この「なんとなく」が気になった。IMAXと35mmの関係に似ている。
16:9 = 産業合理性
縦比率 = 体験優先
私は個人でコンサルをしている。マーケティング、DX、事業運営。 クライアントのサイトを見ると、ほぼ例外なくこうなっている。
横長ヒーロー画像。横長図解。横長実績紹介。 でも、流入の大半はスマホ。それなのに、画面の使い方はPC時代のまま。
Current State
Reality
04 — FRAMEWORK
では、縦にすればいいのか?いいえ。 IMAXもそうだ。常に1.43:1でやるわけではない。ここぞという瞬間だけ使う。
読者は記事をこう進む。 「止まる → 理解する → 納得する → 感情が動く → 行動する」
それぞれに最適な比率があるのではないか?ここで、今の設計に辿り着く。
01
4:5
STOP
スクロール占有率が高い。でも押し付けがましくない。
02
16:9
UNDERSTAND
横は比較・構造整理に向く。論理を伝える。
03
9:16
IMMERSE
逃げ場をなくす。記憶に残す。1枚のみ。
04
4:5
ACT
冷却させない。行動へつなげる。
Key Takeaway
9:16(IMAX枠)は強い。でも、強すぎる。 だからこそ、ここぞという瞬間だけ使う。これが重要だった。
05 — CONCLUSION
IMAX 1.43:1は、フィルム構造・コスト無視の決断・視界支配の思想の集合体。 Webの画像比率も、本来はそうあるべき。
「画像サイズどうすればいいですか?」という質問を何度も受けてきた。 でも、本当の答えはサイズではない。
「なぜ、その比率を選ぶのか?」
ここまで考えないと、設計は再現できない。 だから私は、IMAXという一見関係ない話から、この問いを掘り下げた。
比率は流行ではない。人間理解と環境理解の結果だ。
比率設計
テンプレート
心理フェーズ対応
制作
チェックリスト
実装時の確認項目
NG例
アンチパターン
避けるべき設計
心理フェーズ
対応表
比率×目的マッピング
フィルム構造の詳細解説、SNS別最適比率、LP設計テンプレート、
ABテスト設計シートなど、全9章の完全版を公開中。