背景・状況
PRIMA!はShopifyでECを運営している。注文はShopify上で完結するが、受注後の業務 --- 色パターンの集計、発注書の作成、在庫の引当、生産管理への連携 --- はすべて手作業で行っていた。
注文が入るたびにShopifyの管理画面を開き、注文内容を確認し、手動でCRMに入力する。この繰り返しが日常業務の大きな負担になっていた。
課題・問題
手作業による受注データの転記には、以下の問題が存在していた。
- 1日あたり約30分の入力作業が発生。注文件数が増えるほど比例して増加する
- 転記ミスが避けられない。特に色パターン(Gold/Silver × 8色)の入力間違いは発注ミスに直結する
- リアルタイム性がない。Shopifyの注文とCRMのデータに常にタイムラグが発生する
- テストアカウントの注文が混入し、集計数値が狂う
判断・アクション
Shopify APIによるリアルタイム連携も検討したが、まずは最もシンプルで確実な手段として、CSVエクスポート → CRMインポートの仕組みを構築する判断をした。
検討した選択肢
- Shopify API連携 --- リアルタイム性は高いが、Webhook設定やAPI認証の管理が必要。初期段階ではオーバースペック
- Zapier/Make連携 --- 月額コストが発生。カスタムロジック(16色パターン抽出)の実装が難しい
- CSV取込 --- Shopifyの標準エクスポート機能を利用。カスタムロジックはPHP側で自由に実装可能。最もシンプルかつ確実
実装のポイント
- UPSERT対応 --- 同じ注文番号が再度インポートされた場合、上書き更新する。重複登録を完全に排除
- 顧客自動紐付け --- メールアドレスをキーに既存顧客と自動マッチング。新規顧客は自動作成
- 16色パターン自動抽出 --- 商品名から金具色(Gold/Silver)とアイカラー(8色)を自動判定し、パターンコードを付与
- テストアカウント自動除外 --- 特定のメールアドレスパターンを検知し、集計対象から自動除外
- キャンセル処理対応 --- キャンセルされた注文のステータスを自動反映。在庫の戻し処理も連動
結果
1日30分かかっていた手作業がワンクリックで完了するようになった。CSVをアップロードするだけで、受注データの登録、顧客紐付け、色パターン集計がすべて自動で処理される。
入力ミスはゼロ。テストアカウントの混入もゼロ。パターン集計もリアルタイムで確認でき、発注書作成へのスムーズな連携が実現した。
学び・気づき
「最もシンプルな手段が最も確実」という原則を改めて実感した。Shopify APIやZapierも選択肢としてはあったが、CSV取込という枯れた技術を選んだことで、トラブルなく安定稼働している。
ECプラットフォームとバックオフィスの連携は、最優先で自動化すべき領域。ここが手作業のままだと、注文が増えるほど業務が破綻する。
KEY TAKEAWAYS
この記事のポイント
- ECプラットフォームとバックオフィスの連携は最優先自動化対象。注文増加に伴い手作業は必ず破綻する
- CSVインポートは最もシンプルで確実な連携手段。APIやiPaaS連携よりも初期段階ではコストパフォーマンスが高い
- UPSERT(あれば更新、なければ挿入)は必須。重複データの排除と冪等性の確保が運用安定性の鍵